今回のテーマは、パスタやうどんを茹でたときに出る茹で汁の活用法について。
パスタやうどんなど麺類を食べるときに、必ず出てくる茹で汁。そのまま、捨ててしまいがちだが、そのまま捨ててしまうのもったいない。実は、食べ終わった食器などに茹で汁をかけることで、汚れが落しやすくなる。
そこで、茹で汁でなぜ油汚れが落ちやすくなるのかというメカニズムについて書いていきたい。
パスタの茹で汁の性質
サポニンによる乳化
パスタの茹で汁には、サポニンという水とも油ともくっつきやすい成分が入っている。普通、水と油は分離しやすい性質のため、油汚れのついている食器を水で流してもなかなか汚れが取れない。
しかし、ゆで汁を使うことで、ゆで汁が水と油どちらにもくっつくことで、水と油が混ざり合う乳化という作用が起こり、食器からの油汚れが取れるやすくなるというメカニズムになっている。これは、基本的に洗剤を使うと油汚れを落とすことが出来ることと同じ原理が働いている。
ちなみに、お米の研ぎ汁や使ったあとの麦茶のパックでも同じ様な効果が得られる。うちは無洗米なので米の研ぎ汁はあまり使わないが、麦茶パックもよく使っている。
パスタの仕上げに茹で汁を入れるのも同じ理由
ペペロンチーノなどのオイル系のパスタを仕上げるときに茹で汁を入れるのも、この茹で汁のサポニンによる乳化理由だ。茹で汁を入れることで、油と水分がよく混ざり合うことで味がまとまるため、パスタがおいしく仕上がる。
実際のシチュエーション
フライパンや皿を茹で汁につけておく
頻度が高く、効果的なのは、調理し終わったあとのフライパンや食べ終わったあとの皿に茹で汁を入れておいて少し置いておき、油を落としやすくしておくという洗い物のお膳立てのような使い方。
オイル系だけでなく、ミートソースやクリーム系など最初にスポンジで洗うと落ちにくいような場合も先に茹で汁につけておくことでだいぶ洗いやすくなる。
植物性であれば、茹で汁単体でもOK
野菜が多いメニューの植物性油の汚れだと茹で汁単体でも充分に汚れを落とすことができる。
その場合は、あらかじめ洗い物を茹で汁につけておいてから、スポンジなどに茹で汁を含ませて洗えば良い。