アジサイの花の色は、灰を撒いたら赤く変わるのか？焚き火の灰で土の酸度調整してみた。

梅雨の風物詩のアジサイ。

うちでもウズアジサイをプランターで育てていて、梅雨の時期に、ささやかな楽しみを提供してくれています。

アジサイは土の状態によって花の色が変化します。そこで、アジサイのプランターに灰を撒いて、より土をアルカリ性に近づけると、花の色が実際に変わるかどうかを実験してみました。

結論を先に言うと、前年は青系の花だったのに対して、灰を撒いた後はピンク系の花に変化しました。

アジサイは土の状態で花の色が変わる

ご存知の人も多いと思うが、アジサイは土の状態（酸度）が酸性かアルカリ性かによって、咲く花の色が変化します。

土が酸性の場合は青系の色に、アルカリ性の場合は赤系の色の花になります。ちなみに、小学校の理科の授業で使うリトマス試験紙の反応とは逆になるので、混同しないように気をつけましょう（リトマス紙は酸性が赤、アルカリ性が青になる）。

アジサイの花の色は、アントシアニンという色素によって決まります。

アントシアニンは、ブルーベリーや赤ワインに含まれる成分として有名で、他にも、桜が開花してから花の色が白→ピンクに変化していくのはアントシアニンが関係しています。

土壌が酸性の場合、土にアルミニウムが溶けてアジサイに吸収されやすくなり、それがアントシアニンと化学反応を起こすと、色が変化して青くなります。

一方、土壌がアルカリ性の場合は土にアルミニウムが溶けず、アジサイに吸収されないため、化学反応も起きず赤い花を咲かせる。

焚き火で出てくる灰の活用方を考えていたときに、たまたま近くにウズアジサイのプランターがあり、もし灰を撒いたら土がアルカリ性になってアジサイの花の色も変わるかな？とふと思ったのがきっかけで。

そこで、時期的にどうなのか（そのとき4月）というのはあったのですが、ちょっと実験してみることにしました。

写真は前年のウズアジサイで、青寄りの紫の花が咲いています。そのため、土の状態はやや酸性寄りだと考えられるので、そのため土がアルカリ寄りになれば、花の色が変わるのでは？と思ったわけです。

ちなみに、ウズアジサイはよく見るアジサイよりも花は小さめですが、慣れてくると花の主張が強すぎない分、花と葉のバランスや周りとの調和が取れて、雨の日に部屋の中からじっくり眺めたりできるのでけっこうオススメ。

灰や草木灰は、土をアルカリ性にする特徴を持っているため、土壌酸度調整に使われています。また、根の生長を促進するカリウムを含んでいるので、肥料としても使われたりもします。

ただ、撒き過ぎは注意で、カルシウムやマグネウムの吸収を阻害すると言われています。（だいたい、1坪に対して100~150g。プランターの場合は数g〜10g程度が適正量）

植物の肥料では三大要素と言われるNPK（窒素、リン、カリウム）ほど重要ではないが、生育に重要な役割をし、量もそこそこ必要になることから、中量要素と言われています。土壌中に含まれている場合が多いので、個人的には、家庭菜園レベルではあまり気にする必要はないと思っている。

ちなみに、カルシウムとマグネシウムは、植物の生育への役割は以下のような感じである。

実際に、ウズアジサイのプランターに撒いてみました。

上記のように、あまり撒きすぎは植物の生育上、好ましくないので推奨はしませんが、見た目を整えてプランターを楽しめるように土を1~2cm程度覆うくらいで撒いてみましたた。

土の色よりも灰の色の方が砂利のような色合いで、枯山水のような趣になるので、ウズアジサイやプランターとのコントラストが思ったよりも良い感じで、予想外の収穫でした。

明らかに前年と比べて、ピンク系の花が咲きました。色としては、青系の花の方が好きなのですが、色が変化するのはおもしろいな〜と思いながら、雨の日によく眺めています。

気になる点としては、咲き始めの方がピンクの色彩が強く、その後に少しづつ紫っぽい要素が強くなってくるという印象があったことです。想像でしかないのですが、灰を撒いたのが地表部で特に撹拌しなかったので、プランターの中で酸度のギャップがあったりしたからなのかな〜？と。

今回はアルカリ性にしてみたので上手く赤系の花が咲いたら、今後は逆に酸性にして青系の花が咲くかを試してみたいと思います。

ただ、素朴な疑問として、灰などが土をアルカリ性にするのに対して、土を酸性にする素材ってなんかあるのか？ということ。身近なもので探しさねば。