5月は新茶の季節。
近くの茶畑で新茶を摘ませてもらう機会があり、家で茶葉を製茶をしてみたので、そのことについて書いていきたい。
緑茶の基礎知識
そもそも緑茶とはなんなのか?
チャノキの葉を加熱して、発酵を止めたお茶のこと。(不発酵茶)
お茶の葉は、摘んだ後にそのままにしていくと酸化酵素の働きによって酸化していく。この過程を一般に的に”お茶の発酵”と言われており、乳酸菌や納豆菌などの微生物の発酵とは違う。
緑茶、烏龍茶、紅茶などは元は同じチャノキの葉で、酸化酵素による発酵の度合いによって、不発酵(緑茶)→半発酵(烏龍茶)→発酵(紅茶)という様に変化していく。
ただ、お茶にも高知県にある碁石茶のように乳酸菌発酵させたお茶の一部存在する。(味はかなり独特なので面白いが、僕はあまり好みではない。)
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茶を摘む
新茶をつむ時は、柔らかい新芽をつむ様にする。硬い葉っぱは後の製茶工程の時にバラツキが出やすくなるので、一緒に摘むのは避けておいた方が良い。
摘む部分は、新芽の先っぽから2枚くらいが目安と言われている。実際に摘む時に、新芽部分は柔らかくて指だけで簡単に取れるので、その感覚を目安にすると良いと思う。
摘む量については、製茶した茶葉の重量から逆算して5倍くらいをイメージしておくと良い。
200gの煎茶葉を作りたい場合は、1kgくらい摘む。
僕は、一人で2時間弱(休憩込みなので、正味90分くらい)1.5kgほど摘み、製茶したお茶は300gほどだった。
製茶する
緑茶は摘むと発酵が始まるので、摘んでから出来るだけ、早く次の蒸しの工程に入った方が良い。
僕の場合は、午前中に茶葉を摘んで、サクッと昼ごはんを食べて、午後一から製茶工程に入るスケジュール感でやってみた。
ちなみに、同時並行で烏龍茶、紅茶も作ろうと思ったので、それぞれの分の葉は寝かせておいて、翌日と翌々日に製茶した。そのため、3日連続で製茶をした。(けっこう大変だった。)
蒸す(火を入れる)
摘んだ茶葉を蒸して中の水分の温度をあげることで、酸化酵素の働きをストップさせる。ここで、蒸しが甘いと徐々に発酵が進んでしまって、想定しているものと違うお茶になる可能性があるので、非常に重要な工程
蒸す場合は電子レンジ、釜炒りに近い感じにする場合は鍋やホットプレートを使うやり方がある。特に、こだわりがなければ電子レンジを使う方が、楽で無難だと思う。
耐熱容器に茶葉を入れて、500wで2分半〜3分ほど加熱する。一回で出来ない場合は、揉みながら何回かに分けて加熱する。
揉む
レンジから出した茶葉を広げて、まとめて押し付ける。
乾燥させる/揉むを繰り返す
ある程度揉んだら、1分乾燥させて、また揉むという流れを5回くらい繰り返す。
ただ、僕の場合は手揉みで水分を出すのが甘かったのか、なかなか乾燥しなかったので+3回くらいやってようやくといった感じ。
保管する
茶葉は、湿気と日射で劣化しやすいので、密閉性や遮光性が高い容器に入れて、冷暗所に保管するのが良い。
たまたま、以前もらった大きめのお米の缶があり、そこに乾燥防止用に珪藻土を入れて保管。珪藻土がなければ、海苔やお菓子などに入っている乾燥剤などでも大丈夫。
実際に飲んでみる
飲んだ率直な感想としては、爽やかスッキリ系の緑茶という感じ。雑味とか飲んでいて嫌な感じはないのでそこは良かったが、淹れた時に緑茶の味の出方がやや弱いなという印象。味が出るのは2煎目までで、3煎目はきついかな〜という感じだった。
おそらく、手揉みの甘さが原因だと思う、まだ色々と余地はたくさんあるはず。
とはいえ市販の安いお茶よりは美味しいかなといったところ。
ちなみに、この時に一緒に作った烏龍茶の方が香りが芳醇な分、味の出にくさをカバーできている印象でクオリティとしては良かった。
なので来年は、烏龍茶の比率をあげつつ、緑茶の手揉みをもっとうまくやる事を課題にして作る予定。