僕は、ザリガニを日常的に食べることにした|ザリガニを食べる日常

鉄腕DASHのグリル厄介というコーナーを知っているだろうか?

国内で問題となっている外来種をただ厄介者とするのではなく、おいしく調理して頂きましょうという企画だ。

この企画がテレビで成立する背景としては、外来種による生態系への被害が甚大であることに加えて、駆除してもその後に資源として活用出来ていないことがある。外来種だけでなく、鹿や猪の獣害対策でも同じように食べることができるのに多くが廃棄物として焼却処分されてしまっているのが現状だ。

食べられる肉を化石エネルギーを使って処分せざるをえない状況というのは、見ていてなんだかな。。と思うことが多い。

また、外来種を食べるというテーマや企画は、テレビやYoutube、ブログ等で見かけるが、割と一回で終了し、そこからより日常的にどう食べていくか?といった内容はあまり見かけない。

そこで、そのような資源を無駄にせずに日常的に食べていく試みをまず自分の出来る範囲からはじめてみることにした。

ターゲットは、捕獲が簡単なのでアメリカザリガニ。まずは、身近にいるアメリカザリガニを日常的に捕獲し、食べることにした。

アメリカザリガニについて

概要

現在、日本に生息しているザリガニは、ニホンザリガニ、アメリカザリガニ、ウチダザリガニの3種のうちのひとつ。一番ザリガニの一般的なイメージなのが、アメリカザリガニ。しかし、名前のように外来種である。

元々、日本には北海や東北の冷涼な環境にニホンザリガニが住んでいたが、20世紀全般にアメリカザリガニは、元々は食用で持ち込まれたウシガエルの餌となるべく、文字通りアメリカから持ち込まれた。

ウチダザリガニは、名前を見ると在来種のように見えるが、こちらも外来種。北海道や東北などの冷涼な環境に生息していて、ニホンザリガニの生息域とかぶることからニホンザリガニの駆逐などが問題となっている。

ウチダザリガニは、レイクロブスターと呼ばれ、食べるとめちゃめちゃおいしいらしいが、僕はまだ食べたことがない。そのうち、ウチダザリガニを取りに北伐に行きたいと思っている。

生態

雑食性でなんでも食べるが、匂いが強い動物性のものを好む。ザリガニ釣りのエサに、あたりめなどが推奨されるのはこのため。

ザリガニが活動し始める時期は、一般に4〜10月と言われていて、水温が5℃かどうかが目安。

時間帯は、朝か夕方が活動が活発になる時間帯と言われている。夏場は熱中症の危険もあるので、たまたまだが朝夕の方が人にとっても好都合な気がする。。。

被害

上記のように何でも食べるため、在来生物への被害や水草を切ってしまい、水生植物を壊滅させてしまうことでの水質や生態系への悪影響などが問題となっている。

アメリカザリガニは、特定外来生物になってはいないが、上述のように侵略的外来種として問題になっているので放流などは絶対にやめましょう。

アメリカザリガニは侵略的外来種

ちなみにウチダザリガニは特定外来生物に指定されている。特定外来生物は、外来種問題で真っ先に名前が上がるブラックバスやブルーギルと同じレベルのカテゴリ。

*特定外来生物は、生きたままの移動、譲渡、飼育などが法律で禁止されています。通称、外来生物法(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律)。

海外では食材

ザリガニは、原産のアメリカでは食用とされていて、フレンチや中華の食材でもある。要は、日本以外の国では食材として食べられているのだ。

確かに、ほぼエビみたいなものなので、ウシガエルとかよりも抵抗は少ない。(僕はカエルが苦手なので。)

なお、中国ではザリガニ料理がブームになっているらしい。

ザリガニ料理、中国で爆発的ブーム 「マクドナルドを超えた」の報道も

ザリガニを食べるということ

僕が生活の中で心がけているのは、環境負荷をさげることとお金への依存度を下げるという2つが大きなポイントで、このブログのテーマでもある。

厄介者 ⇒ おいしく食べて資源に。

冒頭のように、資源の有効活用の視点というのがそもそもの出発点。

問題視されていない環境もあるが、駆除が行われた場合、だいたいは肥料などに転用される。ただ、廃棄されるよりは良いが、食べられるものを捨てるのはもったいないし、そもそも駆除したあとの処理で無駄なエネルギーを使うことになってしまい、それが温暖化の視点で見ると環境負荷になってしまう。

だから、食べることによって、ザリガニという資源が有効活用されることになる。僕一人がやっていても大きな効果はないが、多くの人がそうするようになれば、例えば、ザリガニ被害の出ている場所でのザリガニ釣りも活発になるだろう。

そうすれば、ザリガニに対して狩猟圧がかかり、ザリガニ被害への抑止効果も生まれると思う。

 

自分の食料自給率の向上

と書くと見栄えが良いが、要はお財布に優しいのである。

近くで自給できる食材があって、厄介者扱いされているので獲っても特に問題はないのなら、積極的に食べてしまえば良い。

そうすれば、家計にも優しいので、日々のお金への依存度が下がる。

環境問題への意識

ザリガニをエビの代わりに食べるとすると、エビの関連する環境問題がリンクしてくる。

エビは昔はトロール船による底引き網で乱獲され、今は台湾やインドネシアなどの養殖のエビが多く、輸出されている。その養殖池を作る際にマングローブ林が伐採され、マングローブ林周辺の生態系への影響が問題となっている。

また、養殖の場合は多くが配合飼料によって飼育されており、畜産のように飼料の原料による問題(食物との競合や資源の枯渇)や飼料の製造、エビの輸送によるCO2排出の部分でも環境負荷を与えている。

身近な食材を食べることで、間接的にではあるがこれらの問題を考えることに関連してくる。

食する

ザリガニの可食部は、尾の部分の身と少しではあるが爪の部分だ。しっぽの部分(写真右)はエビ、少ししか取れないが爪の部分(写真左)はカニのイメージで調理している。

なお、ザリガニは寄生虫がいる可能性があるので、10数分ほど沸騰したお湯に入れ、十分な加熱殺菌が必要なので要注意。油で上げたり、炒めたりする場合も先に加熱殺菌されたものをさらに油で加熱するようにしている。

では、一部をここで紹介したい。

アヒージョ

手軽かつ間違いないだろうということで作った。エリンギと合わせて作ってみたが、プリプリ感はないが味はエビなのでふつーにおいしく食べれた。

簡単でおいしいので、定番メニューとなりつつある。

ザリカツサンド(エビカツ風)

エビの代わり→エビのレシピと考えていたら、エビカツかな〜と思って実際に作ってみた。

エビカツの作り方のエビ→ザリガニで作ってみたが、アヒージョ同様プリプリ感はないが、ふつーに美味しい!

*ミソはネットなどを見ると、賛否あるが衛生面などを考慮して、僕は絶対食べないようにしている。

ザリガニ関連の参考文献

ザリガニを取るだけでなく、勉強もしておこうということで参考にした文献。ネットの情報だけだと、事実関係が分からない部分もあるので。

 

 

 

 

 

ザリガニ―ニホン・アメリカ・ウチダ (岩波科学ライブラリー)

ザリガニの博物誌

ザリガニの博物誌―里川学入門

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です