地球の温暖化とは? vol.1 温室効果ガス(GHG) | 知識ゼロからの環境問題

環境問題や夏場の異常な気温(むしろ異常が定常なのが)が報じられると一緒に出てくる地球の温暖化という言葉。

皆さんの身の回りに地球温暖化問題について、よく理解している人はどれくらいいるでしょうか?仮にいても、説明が非常に複雑で難しいのではないでしょうか?

これは僕自身が感じていることで、温暖化問題を知ろうとするとすごく難しい言葉が多いのと多分理系の人にしか分からないなと思うことが多いです。

実際に温暖化問題は非常に複雑で難しい問題なのですが、何回かに分けて、”環境問題のこと全く知らない”、”理科や化学とかがホントに苦手”という人にも伝えられるように書いていきたいと思います。

今回は第1回で、地球温暖化という言葉の意味、温暖化の要因である温室効果ガスを取り上げて行きたいと思います。

地球温暖化とは

温暖化という言葉は、2つのことが該当します。

1つは、氷河期から地球が暖かくなっていく過程のことを温暖化という言葉が使われます。元々、地球は現在のような温暖な時期と氷河期のような非常に寒い時期を歴史的に繰り返して来ました。氷河期と間氷期は、10万年周期で起きていると言われています。

もう1つは、一般に我々が意図して使う、地球温暖化問題を指して使う場合。

地球温暖化は、自然発生ではなく、人為的すわなち人類の活動によって、地球の気温が上がっている(すなわち温暖化している)現象のことを指します。

温暖化が、氷河期のように10万年という長いスパンで起こっていることに対して、現在言われている地球温暖化は、もっと遥かに短いスパンである数十年や100年レベルで温暖化が起きています。

地球温暖化の原因

 

地球がなぜ温暖化しているのかというと、太陽からの熱を吸収しやすい温室気体が大気中に増えることで、熱をより吸収し、それおによって地球全体が温まっていくという構造です。

このような熱を吸収しやすい気体のことを温室効果ガス(GHG)と呼ばれています。

この大気中の温室効果ガスの増加は、我々人類が生活や産業の中で排出されたものが原因です。産業革命以降、特に19世紀以降の百数十年の間に急激に排出が増加したことで最近の異常気象のように気候の変動を感じるような状況になってきています。

温室効果ガスの種類

人類の活動で増加した温室効果ガスは、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、フロンガス類、六フッ化硫黄などが挙げられます。

理由は後述しますが、一般市民(農業や工業の関係者でなければ)であれば、基本は二酸化炭素(以下CO2)が温暖化と密接に関連していることと合わせて、メタンの存在くらいを認識しておくレベルでOKです。

二酸化炭素(CO2)

温暖化問題で最も影響を及ぼす温室効果ガス。

石油や石炭などの化石燃料の消費や森林伐採などの土地利用の変化によって大気中に放出されます。

 

メタン(CH4)


CO2の次に影響の大きい温室効果ガス。

メタンは、酸素の少ない環境(嫌気環境)で微生物がゴミや家畜の糞尿などを分解すること(嫌気発酵)で発生します。湿地や水田などや家畜、天然ガスの採掘時などが主な発生源。CO2の約25倍の温室効果。

 

MEMO:資源としてのメタン

 

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メタンは燃えやすい性質を持っているため、北欧などでは生ゴミや家畜の糞尿、下水などを集積してそこでメタンガスを発生させて、それをエネルギーとして盛んに利用されています。

一酸化二窒素(N2O)


農業の化学肥料(窒素肥料)の使用や工業活動によって大気中に放出される。全体量は少ないが、にCO2と比較して298倍と高い温室効果を持つ。

フロン類

冷蔵庫やクーラーの冷媒に使うために、研究開発されたガス。オゾン層を破壊するガスとして有名で、その後に高い温室効果(C02の数千倍〜1万倍)も問題となって製造が1996年までに廃止された。

六フッ化硫黄(SF6)


電子機器などの絶縁材として使用されている気体。全体量は少ないが、C02の22,800倍という非常に高い温室効果を持つ。

温室効果ガスごとの排出の割合

                                 出典:IPCC第5次報告書より作成

各ガスごとの温室効果に占める割合を見ていくと、CO2が実に全体の75%を占めています。そのCO2のうち、実に65%が化石燃料由来、これは人間活動で石炭や石油、天然ガスなどの化石燃料を燃やすことによって発生したCO2です。化石燃料由来のCO2は、産業や運輸部門、サービス業、家庭部門が関連しています。

家庭部門自体の排出は、全体の10%ほどですが、私達が消費者という立場で各産業に対して、製品やサービスの提供を通じてCO2の排出を促しているため、家庭は10%程度だから一般市民は関係ないというほど単純な構造ではありません。

残りの10%は、森林減少や土地利用変化によるものとされています。これは、CO2を吸収して、貯めている森林を伐採し、開発することで今まで森林が吸収したCO2が大気に放出されてしまうような場合がここに分類されます。

CO2の次に温室効果の影響が大きいのがメタンです。

メタンの場合、農業などの産業分野との関わりが強く、あまり一般家庭でメタンの排出を抑えるというのは難しいといえます。

MEMO:排出源と吸収源

工場や一般家庭など温室効果ガスを排出している側を排出源、森林やサンゴなどCO2を吸収する側を吸収源と言う呼び方をします。

吸収源である森林のCO2の吸収については、こちらのエントリーに書いているので、見てみてください。

まとめ

今回は、温暖化問題の原因である温室効果ガスについて取り上げました。

ポイントは、

  • 温暖化問題は人類が排出している温室効果ガスによって起きていること
  • 温室効果ガスの中でも二酸化炭素が圧倒的に多く、それは生活者にも大きく関連していること

という部分は、抑えておきましょう。

次回は、人類の歴史の観点で、いつ?、なぜ?温暖化問題が起こったのかを解説していきます。

 

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