知識ゼロからの環境問題-ヒートアイランド現象とは?

夏が近づき、熱中症や熱帯夜の話題になると必ずニュースなどで聞くヒートアイランド現象という言葉。

都市が郊外と比べて、暑くなりやすいということはよく報道されていますが、そもそもヒートアイランド現象とはいったい何が原因で、どんなメカニズムで発生しているものなのでしょうか?

あまり細かい専門用語は使わずに、重要なポイントにフォーカスして紹介して行きたいと思います。

ヒートアイランド現象とは?

ヒートアイランド現象(英:urban heat island)
都市の気温が、まわりの郊外よりも高くなる現象

単純に言葉だけを見ると、都市のことを指していませんが、英語表記で見ると分かりやすく、Urban(都市) heat(熱) island(島)で、都市が熱の島になることを指しています。

なぜ島なのかというと、周辺との温度差で都市が浮いて島のように見えること(都市だけ赤く見える)がヒートアイランド言われるようになった由来です。

ヒートアイランドの原因

ヒートアイランド現象にとって、都市の温度が高くなる原因は何なのでしょうか?

ヒートアイランド現象は、地球温暖化が原因?

NO. 地球温暖化が直接の原因ではありません。

温暖化問題の影響の場合、もっと広いエリアで規則性があるわけではなく、暑さ以外にも様々な現象や災害による影響が出ます。ヒートアイランド現象のように、一つの都市という限定されたエリアで、暑くなるという一つの影響が起きる現象と直接の関係ありません。

例えば、最近よく問題になっている台風や大雨などの広いエリアにまたがるような災害は、地球温暖化が影響していると考えられています。(ここでは、テーマが違うので詳細は省きますが。)

では、地球温暖化が原因ではないならば、何が原因なのか?簡単に言うと、都市自体の構造とそこに住んでいる人間の活動によって発生していると考えられています。

そこで、3つのポイントに絞って解説していきます。

  1. 道路や建物に熱が蓄積しやすい
  2. 人が熱を多く排出している
  3. 都市から熱が逃げにくい

道路や建物に熱が蓄積しやすい

都市を覆う道路やビルの多くは、アスファルトやコンクリートで作られています。

そのアスファルトやコンクリートは、熱を蓄積する性質を持っているため、昼間に強い日差しを受けた道路や建物が夜も熱を持っていて、周囲に熱を発しています。

そのため、夜になっても涼しくならず、寝苦しい熱帯夜のような状況が起きやすくなってしまいます。

一番その性質が分かりやすいのは、夏の夜に公園に散歩に行って芝生と道路でそれぞれしゃがんで手を地面に置いてみると、明らかに温度が違うのが分かります。

 

人が熱を多く排出している

都市の排熱の仕組み

 

クーラーの室外機や車や工場の排気のように、人が熱自体を放出しているのもヒートアイランド現象の原因のひとつです。都市では人口が密集しているので、その人達やその生活を支える産業が排出する熱も多くなります。

狭い部屋の中で、人がぎゅうぎゅう詰めになっていると暑いのとイメージは同じです。

都市から熱が逃げにくい

 

都市は熱が逃げにくい構造

都市は、建物が多く、密集しているので風通しが悪い構造になっています。そのため、風によって熱が逃げにくい状態になってしまいます。

例えば、東京だと、緑が少なく、住宅や多くの高層ビルに囲まれているので、元々熱がこもりやすいです。さらに、高層ビルが乱立している影響で、東京湾から涼しい風を遮ってしまうので、より熱が逃げにくい構造になっています。

 

どんな影響がある?

ヒートアイランド現象によって都市の気温が高い状態が続くと、どのような影響が出るのか?影響は大きく分けて、2つあります。

  • 人の健康への影響:熱中症の増加など
  • 周辺の自然環境(生態系)への影響:在来の動植物への悪影響、外来種の定着など

1つ目の熱中症の増加は想像に固くありませんが、都市部の温度が高くなることによって周辺の自然環境には影響が出てしまいます。

温度が高くなることによって、元々この土地にいた在来生物が住みにくいに環境になってしまう一方で、マラリア蚊のような熱帯・亜熱帯で生息している外来生物が住みやすい環境になってしまいます。それによって、生態系が崩れる危険性があります。

生態系崩れるとどんなことが起きるのか?影響は様々で、予測できないところに自然環境の恐ろしさがあるのですが、例えば、日本国内の例だと、天敵オオカミがいなくなったことでシカやイノシシが爆発的に増え、農業に従事している人の生活に大きな影響が出ています。

このようにヒートアイランド現象による私達の身の回りの話は影響はありますが、起きている現象だけではなく、原因や構造を考える・知ることで普段とは違ったものが見えるし、それに関連する新しい物事を見ることもできます。

このページが環境問題の構造に興味を持つ、きっかけになっていたら嬉しいです。

Memo : ヒートアイランド現象と明治神宮

前述のように、ヒートアイランド現象は都市の周りの自然環境には影響を及ぼします。
例えば、東京だと明治神宮がヒートアイランドの影響を受けていると言われています。
明治神宮は、1920年(大正9年)に建立されてから、100年近く都心の中で人の手が入っていない森があり、東京に元々いた植物や昆虫などが残っていて、都心にありながら全く別の自然空間が保たれているように見えます。

これは、以前NHKスペシャルの神宮神の森という番組の中でやっていたのですが、
明治神宮の生物調査で土の中にいるダニの数が減少しているのが分かりました。
50年前の調査の時には、一坪の土の中に3,000匹ほどいたダニが、200~300匹と実に1/10ほどに減ってしまっています。
その理由は、ヒートアイランドによって周りの温度が上がり、土壌が以前よりも乾燥し、
ダニが住みにくい環境になっているからだと考えられています。

ダニが減ることで私達に何の影響があるのかは分かりませんが、ダニは落ち葉などを分解
して豊かな土壌にしてくれる役割を持っているため、ダニが減ることで明治神宮の森の
生態系に悪い影響を与えることが懸念されています。

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